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理学療法士がやるべきリスキリングまとめ

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現役PT

「理学療法士って資格持ってるだけじゃダメなの?」

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現役PT

「理学療法士がやるべきリスキリングって何がある?」

このようなお悩みに答えます!

理学療法士は国家資格だから将来安泰!の時代はすでに過去の話です。

日本の理学療法士も現在は20万人を超え、
この膨大な人数に埋もれている「ただの理学療法士」も量産されているのも事実です。

現役で働いているPTの方なら共感すると思いますが、

PTなんてピンキリです。

目の前の患者さんのために自己研鑽をする人もいれば

とりあえず学生レベルのリハビリしかしない(できない)人もいます。

PTとしての「あなた」はどちらのタイプですか?

また、「あなたの家族や大切な人」のリハビリはどちらのタイプに行ってもらいたいですか?

今回は胸を張って堂々と理学療法士を名乗れるためのリスキリングを紹介します!

ちなみにこの記事を書いている私(@omusubi09sg)は、下記の経歴の持ち主です。

  • 現役理学療法士15年目
  • 患者さんのリハビリから、研究、自治体との協働、企業コンサルなど幅広い業務経験あり
  • 理学療法学だけでなく、疫学や公衆衛生学、予防医学にも精通(医学博士保有)
この記事は5分程度で読み終わります。
5分後には、理学療法士であるあなたの価値を高めるための情報を得られます。

それでは、本文にいきまっしょ〜!

医療に関連する学問を学ぶのがおすすめ

理学療法士としてのキャリアを一歩進めるために、リスキリング(再スキル習得)は欠かせません。

そもそもリスキリングは、新しい知識や技術を習得することで、自身の専門性を高め、キャリアの幅を広げるための重要な手段です。

引用:リスキリングとはーDX時代の人材戦略と世界の潮流ー.経済産業省

特に、医療に関連する学問を学ぶことは、理学療法士としてのスキルセットを強化し、患者ケアの質を向上させるだけでなく、将来的なキャリアアップにも繋がります。

以下に、医学に関連する主要な学問を紹介します!

医療経営学

医療経営学は、医療機関の運営や経営に関する知識を学ぶ学問です。これを学ぶことで、理学療法士としての臨床業務だけでなく、医療機関全体の運営にも関与できるようになります。

例えば、病院の経営戦略や財務管理、マーケティングなどの知識を身につけることで、より効率的で効果的な医療サービスの提供を目指せます。

とくに回復期病棟とかでよくある「単位数のノルマ」に関しては、病院によって方針は様々です。

私が以前勤めていたところは役職によって目標単位数が設定されていましたが、
基本的にリハビリテーションだけで1日が終わることはまずあり得ない、という前提のものと単位数設定を行っていました。

たとえば、

毎月の書類作成、患者さんの自主練習メニュー作成、家族への連絡、他職種との情報共有、患者カンファレンスや家族面談、家屋調査、家族への介護指導、退院前のカンファレンス、院内の委員会業務、係業務などなどなどなど〜〜〜〜

挙げ出したらキリがないですよね笑

でも、このような現場の実情も知っていて、かつ経営的な視点も持っていると、目標単位数設定に根拠をもってスタッフに説明ができますし、経営層のコンセンサスも得やすいのです!

疫学

疫学は、病気の発生や流行のパターンを研究する学問です。理学療法士として疫学の知識を身につけることで、特定の疾患や障害のリスク要因を理解し、予防策を立てることができます。

特に、リハビリテーションプログラムの効果を評価する際に、疫学的なアプローチは非常に有用です。これは論文を読む力に直結します!

リハビリテーションに関する論文は基本的に臨床研究(患者さんのデータを取得して解析する方法)なので、症例数が少なかったり、介入群と対照群の集団属性自体にばらつきがあったりして、論文の結果を鵜呑みにするのは非常にリスクが高いんです。

疫学の視点があると、論文を批判的に読むことができるので、よりリハビリテーションの質は高まります。

公衆衛生学

公衆衛生学は、個人だけでなくコミュニティ全体の健康を向上させることを目的とした学問です。理学療法士が公衆衛生学を学ぶことで、地域社会全体の健康増進活動に貢献することができます。

例えば、運動習慣の推進や生活習慣病の予防など、広範な健康教育活動を通じて、地域住民の健康を支える役割を果たせます。

これこそまさにPTのキャリア拡大のために必要な学問であると思います!!

私は自治体と一緒に介護予防事業に携わることになってから、患者さんとのマンツーマンだけでなく、地域住民という集団単位で貢献したいな〜と思うようになりました。

それがきっかけで大学院に進学し、研究者としてのスキルをさらに磨いていきました。

統計学

統計学は、データの収集、分析、解釈を行うための方法論を提供する学問です。理学療法士が統計学を学ぶことで、リハビリテーションの効果を科学的に評価し、エビデンスに基づいた治療法の開発や改善に役立てることができます。また、研究論文の執筆や学会発表においても、統計的な知識は不可欠です。

これは疫学とも重なりますが、論文で実施されている統計学的手法がよく分からないままより、ある程度の知識があることで結果の解釈がしやすくなります。

また、疫学とセットで知識を持っていると、「データサイエンティスト」という、ドラクエでいう上級職のような働き方もできます!

リスキリングの方法

経営に参画できるポジションまで昇進する

医療経営学も分かる理学療法士としてのキャリアを確立するなら、経営に参画できるポジションまで昇進することが一つの方法です。例えば、部門のマネージャーやリーダーとしての役割を担うことで、組織全体の運営や戦略立案に関与する機会が増えます。そのためには、リーダーシップスキルやマネジメントスキルの習得も重要です。

大学院に行く

大学院に進学することは、理学療法士としての専門性をさらに深めるための効果的な方法です。修士号や博士号を取得することで、より高度な知識や研究スキルを身につけることができます。

大学院での研究を通じて、新たなリハビリテーション手法の開発や、既存の治療法の改善に貢献することが期待されます。

理学療法士が大学院に行くことのメリットは山ほどあるので、別記事で紹介しようと思います!(決して金銭的メリットだけではないのです)

関連する学問の学会に入会、学会参加する

学会への参加は、最新の研究成果や業界のトレンドを知るための貴重な機会です。関連する学会に入会し、定期的に学会発表やシンポジウムに参加することで、自身の知識を更新し、専門家とのネットワークを築くことができます。

また、学会での発表を通じて、自身の研究や臨床経験を広く共有し、フィードバックを得ることができます。

私が理学療法士として色んな学会や研究会で講師・シンポジストを経験できたのは、まず間違いなく学会を通じたコミュニティ形成のおかげです。

番外編:セミナー、学会の懇親会などで人脈を広げる

セミナーや学会の懇親会など、非公式な場での交流も重要です。同じ志を持つ専門家との出会いや情報交換を通じて、視野を広げることができます。

こうした場での人脈は、将来的な共同研究や新しいプロジェクトの立ち上げに繋がることもあります。

まとめ:リスキリングで「〇〇ができるPT」になろう!

理学療法士としてのリスキリングは、単なるスキルアップにとどまらず、キャリアの幅を広げるための重要なステップです。

医療に関連する学問を学ぶことで、臨床業務だけでなく、経営や研究、地域社会の健康増進活動にも貢献できる「多才なPT」になることができます。

リスキリングを通じて、自身の専門性を高め、理学療法士としての新たな可能性を追求しましょう。