データ解析

研究データ収集の基本と注意点をわかりやすく解説

「研究計画書は作ったけれど、実際のデータ収集はどうすればいいの?」
「データを集めるときに、漏れやバイアスが出ないか心配…」

研究初心者の多くがつまずくのが、この データ収集 です。
計画があっても、正しくデータを集めなければ信頼できる結果にはつながりません。

そこで本記事では、研究データ収集の基本と注意点 を、わかりやすく整理しました。

研究データ収集の基本ステップ

① データ収集方法を決める

あなたの研究が 観察研究なのか、介入研究なのか によって収集方法は変わります。

  • 観察研究 → 診療録、アンケート、既存データベース
  • 介入研究 → 介入前後の測定、追跡調査

重要なのは、計画書に書いた方法と一致させること。審査で承認された手順を勝手に変更すると、研究の信頼性が損なわれます。

② データの標準化を意識する

同じ変数を測定しても、人によってやり方が違うとデータがばらつきます。
例えば「血圧測定」で、腕の高さや測定時刻が違うと結果は揺らぎます。

標準作業手順書(SOP) を作っておくと、研究メンバー全員が同じ基準で測定できます。

③ データ入力・管理の仕組みを作る

収集したデータは、そのままでは使えません。
ExcelやSPSS、Stataなどに入力する際は、入力ルールをあらかじめ決めること が重要です。

  • 欠損値は「999」と入れるか「空欄」とするか
  • 連続値は小数点1桁までか2桁までか

こうしたルールがないと、解析時にトラブルになります。

データ収集で注意すべきポイント

① バイアスを最小限にする

データ収集で最も注意すべきは バイアス(偏り)

  • 記録の抜け漏れ
  • 調査対象が特定の集団に偏っている
  • 測定者による差

これらは研究結果の信頼性を大きく損ねます。
可能であれば ダブルチェック体制 を作りましょう。

② 倫理的な配慮を徹底する

データ収集の段階でも、倫理的配慮は欠かせません。

  • インフォームドコンセントに沿った収集になっているか
  • 個人情報を適切に匿名化できているか

「集めること」だけに意識が集中すると、研究倫理を忘れがちです。常に対象者への配慮を優先してください。

③ データの保存とセキュリティ

紙媒体・電子媒体どちらでも、データ管理の基本は 紛失と漏洩を防ぐこと

  • 紙:鍵付きキャビネット
  • 電子:パスワード付きPC、暗号化クラウド

研究データは極めて重要な資産。保管ルールを定め、定期的に見直しましょう。

よくある質問(Q&A)

Q. データはどれくらいの期間保存すべき?

多くの施設では 5年間保存 が一般的。ただし学会・ジャーナルの規定に従うこと。

Q. データ入力は外注してもいい?

はい。ただし 個人情報を含まない形で委託する ことが必須。ココナラでは守秘義務契約(NDA)を締結している人であれば安心です。

もちろん、私もNDAを締結していますので、安心してご依頼可能です!
出品サービス以外でも「こんな事はやってくれるか?」など、お気軽にご相談ください。
 → あうとろ@医療系コンサル [リンク]

Q. 紙と電子、どちらで管理すべき?

併用がベスト。紙は原本保存、電子は解析用としてコピーを作成すると効率的です。

まとめ

  • 研究データ収集は「計画と標準化」がカギ
  • バイアスを防ぐためにチェック体制を構築
  • 倫理配慮とセキュリティ対策は必須
  • 入力ルールを統一して、後の解析をスムーズに

研究の成果は、データの質に大きく左右されます。
あなたの研究も、「正しくデータを集めること」 から始まるのです。

参考文献

  • 川村孝:臨床研究の教科書 第2版: 研究デザインとデータ処理のポイント.医学書院 [リンク]
  • 康永秀生:超入門! スラスラわかる リアルワールドデータで臨床研究.金芳堂 [リンク]

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