学生のキモチ
「理学療法士に必要な能力ってなに?国家試験に合格すればいいんでしょ?」
現役PTさん
「最近あまり患者さんや他職種とコミュニケーションがうまくとれないなぁ…」
このようなお悩みに答えます!
理学療法士として働く上で、多くの方が技術や知識の重要性を強調します。しかし、実はそれ以上に大切なものがあります。それは「思いやりの心」です。この記事では、なぜ思いやりの心が理学療法士にとって超絶大事なのかを詳しく解説します。
ちなみにこの記事を書いている私(@omusubi09sg)は、下記の経歴の持ち主です。
- 現役理学療法士15年目
- 患者さんのリハビリから、研究、自治体との協働、企業コンサルなど幅広い業務経験あり
- 多職種連携を実践し、キャリアアップしてきた
5分後には、理学療法士としてのあなたのキャリアの選択肢が広がります。
それでは、本文にいきまっしょ〜!
理学療法士に必要な能力とは?
技術や知識だけでは不十分
理学療法士は、患者の身体機能の回復や改善を支援する専門職です。
そのため、解剖学や生理学、リハビリテーションの技術など、専門知識と技術は当然必要です。しかし、それだけでは十分ではありません。
患者とのコミュニケーションがうまくいかないと、どんなに優れた技術も十分に活かせないんです。
私が前職で働いていた際、知識も技術も優秀な後輩がいました。患者さんが良くなるために努力を惜しまない人でした。
でもなぜか、患者さんからの拒否が絶えなかったんです。
(立場上、患者さんからのクレーム対応はよく受けていたので、この手の話はよく対応していました)
別に患者さんが憤慨してめちゃくちゃ怒っているわけじゃないんです。
でも、「あの人じゃなくて、担当を変えて欲しい」と言われるので、なにか不快にさせるようなことをしていたかを尋ねると、
「彼は一生懸命やっていると思う。でも、私じゃなくて私の足しか見ないの。なんだか、目の前にあるガラクタを修理しているように黙々とリハビリするのよ。だからリハビリを楽しいなんて思ったことは一度もないわ。でも、他の人は楽しそうにリハビリしている。」
と、衝撃の話が。。。
思いやりの心の重要性
思いやりの心とは、相手の立場に立って考え、感じることです。
これは患者との信頼関係を築く上で非常に重要です。患者はしばしば身体的な痛みや不安、心理的なストレスを抱えています。
そんな中で、理学療法士が相手の気持ちに寄り添い、思いやりの心を持って接することができれば、患者は安心感を抱き、治療に前向きになります。
思いやりの心が患者との信頼関係を築く
信頼関係の基盤
信頼関係は、理学療法の効果を最大限に引き出すために不可欠です。
思いやりの心を持つことで、患者は「この人に任せても大丈夫だ」と感じ、治療に積極的に参加するようになります。
逆に、思いやりが欠けていると、患者は不安を感じ、治療に対して消極的になる可能性があります。
先のエピソードがまさに信頼関係の大事さを物語っていますよね。
聞く姿勢の大切さ
思いやりの心を持つためには、まず患者の話をしっかりと聞く姿勢が重要です。
患者が感じている痛みや不安、希望や悩みを丁寧に聞き、それに対して共感を示すことで、患者との信頼関係が深まります。
聞く姿勢がしっかりしている理学療法士は、患者からの信頼を得やすくなります。
参考までに、私が意識していた小技を紹介します。
- 相手の話が「。」で区切られたタイミングでうなずく
- 「〇〇がこうなってだからここが痛くてさ。」←ここで1うなずき
- ゆっくり話す人にはゆっくり相槌を、早く話す人には早く相槌をうつ
- 相手のペースを崩さないようにすると、相手は気持ちよく話します
- 必ず「目」をみる
- 目をみる+うなずきのタイミングがバッチリなら聞く姿勢は完璧!
- 相手の訴えたいことを要約して返事する
- 「最初の一歩目が足の力入らないんだよね」←「そうですね。最初の一歩が少し不安ですよね」
思いやりの心は技術や知識に勝る
未熟でもできること
理学療法士としての技術や知識がまだ未熟であっても、思いやりの心は誰でも持つことができます。
経験が浅い理学療法士でも、患者に対する真摯な態度や思いやりの心を持って接することで、患者との信頼関係を築くことができます。
これが、理学療法士としての成長にも繋がります。
患者のモチベーションを引き出す
思いやりの心を持って接することで、患者のモチベーションを引き出すことができます。
理学療法は時に痛みや辛さを伴うことがありますが、理学療法士が思いやりを持って接することで、患者はその辛さを乗り越え、治療に前向きに取り組むことができます。
まとめ
理学療法士にとって技術や知識はもちろん重要ですが、それ以上に「思いやりの心」が超絶大事です。思いやりの心を持つことで、患者との信頼関係を築き、治療の効果を最大限に引き出すことができます。
理学療法士を目指す方や現役の理学療法士の方々には、ぜひ思いやりの心を持ち続けていただきたいと思います。
最後に、あなたが具合が悪くなって病院に受診した時のことを思い出してみてください。
〜A医師の診察場面〜
- A医師「どうぞー」
- あなた「お願いします」
- A医師「今日はどうしましたー(PC画面みながら、こっちの表情は見ない)」
- あなた「2日前から喉が痛くて、今朝から熱も38度近くあります。。。」
- A医師「あー風邪だね。一応喉みようか」
- あなた「はい。」
- A医師「はいはい、ちょっと喉が腫れてるだけだね。薬出しとくから、お大事に」
- あなた「は、はい。ありがとうございました。」
〜B医師の診察場面〜
- B医師「どうぞお入りください」
- あなた「お願いします」
- B医師「こんにちは。今日はどうされましたか?(ちゃんとこちらに体を向けて話を聞く)」
- あなた「2日前から喉が痛くて、今朝から熱も38度近くあります。。。」
- B医師「そうですか、熱もあって辛いですよね。喉の様子を見させてもらえますか?」
- あなた「はい。」
- B医師「やはり喉が腫れているようです。喉の炎症を抑える薬と、解熱剤を処方しておきますね。そのほかに気になる症状などはありますか?」
- あなた「いえ、特にないです。」
- B医師「では診察は以上です。受付でお待ちください。お疲れ様でした。」
- あなた「はい。ありがとうございました。」
※便宜的に架空の医師を出現させていますが、悪意はないので悪しからず。
いかがですか?
圧倒的にB先生(あるいはB先生のいるクリニック)に受診したくなりますよね。
私の恩師(理学療法士でもあり医師でもある先生)がこんなことを言っていました。
「患者さんの痛みは”共有”することはできないけど、”共感”することはできるよね」
これ本当に大事なことだと思っていますし、臨床では常に意識していることです。
心身ともに元気でない状態の中、信頼をおける人になるには、知識や技術よりもまず、「思いやり」です。