臨床・研究・教育

【現役理学療法士が教える】理学療法士に必要な3つの能力

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学生のキモチ

「理学療法士として働くうえで必要なスキルってなんだろう…。国家資格さえ持っていればOK?」

このようなお悩みに答えます!

理学療法士になるには最低限国家試験をパスする必要がありますが、果たしてそれだけで理学療法士という職業は務まるのでしょうか?

私のこれまでの経験をもとに、理学療法士に必要な3つの能力についてお伝えします。

ちなみにこの記事を書いている私(@omusubi09sg)は、下記の経歴の持ち主です。

  • 現役理学療法士15年目
  • 急性期、回復期、生活期の患者さん200人以上のリハビリ経験あり
  • 講演や学会発表、論文執筆累計100件以上
この記事は3分程度で読み終わります。
3分後には、あなたが真の理学療法士になるために必要な3つ能力について理解することができます。

それでは、本文にいきまっしょ〜!

結論:思いやり・論理的思考能力・コミュニケーション能力があればOK!

結論から言います。程度の差こそあれ、理学療法士は上記3つの能力は必須です。

逆に言うと、これらの能力が備わっている(あるいはこれから身につける)のであれば、理学療法士として胸を張って仕事をできます。

私が在籍していた病院には約80名の理学療法士がいました。

ただ、全員が完璧な理学療法士だ!というわけではなく(私ももちろん未熟です)、上記の能力のうちどれか1つでも欠けていると、患者さんやご家族からクレームをいただいたり、他職種との連携で難渋する機会が多いように思います。

じゃあ、なぜこれらの能力が必要なのか、順を追って説明します。

理学療法士に必要な3つの能力:①思いやり

理学療法士として働く場合の大半は、医療者と患者という関係性のもと、関わることがほとんどです。
(理学療法士としての働き方は、別の記事で書こうと思います)

患者さんは病気や怪我によって身体だけでなく精神的にも落ち込んだり、不安だったり、途方もない状態に晒されています。

そこに寄り添い、希望の手を差しのべるのが理学療法士です。

私の恩師(理学療法士でもあり医師でもある先生)がこんなことを言っていました。

「患者さんの痛みは”共有”することはできないけど、

”共感”することはできるよね」

これ本当に大事なことだと思っていますし、臨床では常に意識していることです。

心身ともに元気でない状態の中、信頼をおける人になるには、知識や技術よりもまず、「思いやり」です。

理学療法士に必要な3つの能力:②論理的思考能力

理学療法士は患者さんの心身の状態を適切に評価し、今の状態から脱してよりよい状態へと変化させていくために、理学療法のプログラムを考え、実施します。

その際、「何が一番患者さんを苦しめているのか」を特定することが重要です。

これがそう単純なものではなく、しかも理学療法の根幹といえる部分になります。
我々の世界では「臨床推論(clinical reasoning)」とも呼ばれる考え方で、今起こっている現象は何が原因なのか、またその原因の原因は何なのか、どの原因を取り除けばよいのか、について仮説を立てながらを深く深く考えます。

ここって一部は感覚的かつ経験則も役立つ部分ではありますが、理学療法ひいては医療の世界では「エビデンス」が重要になります。

なんとなくここが悪そうだから、ここの筋肉ストレッチしておけば治るっしょ!

みたいな安直な考えでは理学療法士は務まりませんし、患者さんも良くなりません。

先入観に左右されず、物事を多角的に捉え、病気や怪我だけでなく目の前の患者さん自身を診ることが大事(ココ本当に大事!)であり、そのために論理的思考能力は必須であると言えます。

理学療法士に必要な3つの能力:③コミュニケーション能力

患者さんを相手にする以上、理学療法士は黙って手を動かす仕事ではないのは容易に想像がつくかと思います。

患者さん、ご家族、同じチームの医師、看護師、介護士、他の理学療法士、作業療法士、事務員など多くの人とコミュニケーションを取りながら仕事をします。

コミュニケーションって一言でまとめられるほど簡単ではなく、悩む方が多いと思います。

私は、理学療法士に必要なコミュニケーション能力は、「自分を知る」ことと「相手(他職種)を知る」ことから始まると思っています。

チーム医療を進めていくうえで、各職種それぞれ「専門性」があります。
医師は診断と治療、看護師は処置やケア、理学療法士は機能回復、社会復帰などといったように、それぞれが得意とするものがある一方、他の職種の強みって意外と知らない人って多いんです。

それなのに、自分の価値観だけで他職種と話をしてしまうことで、衝突(コンフリクト)を起こしてしまったり、同じ病棟で働いているのになんかギクシャクしちゃったりするんです。

そのような状態に陥ってしまうと、働きにくくなって「仕事辞めようかな」などと思い始めてしまうことも少なくないです。

なので、自分を知り、相手を知り、コミュニケーションを図ることは理学療法士にとって大事な能力の1つです。

まとめ:頭が良ければすべて良し、ではない

いかがでしたか?

結論、国家試験に合格しただけでは患者さんや他職種から信頼される理学療法士には “まだ” なれません。

ですが、3つの能力はこれから身につけることができます。
それぞれ別記事にまとめますので、よければそちらもご覧ください。

以上です。最後までお読みいただきありがとうございました!! ^ ^